私が接した経営者③

私がその職場を去ってもうしばらく経つが・・・当時の職場を振り返ることがある。

経営者は、「何かを任せられる人」「自主性を持って、主体的に動ける人」「何かをいつも提案できる人」がほしいと、いつも口癖のように言っていた。

けれども、そこには、こんな条件があったと思う。

「自分(経営者)の価値観や美学を壊さないものに限る」

こういうことだ。

「提案」ということについて、少し考えたい。当時の職場では、私も経営者から「何か提案をしてください」と言われることが頻繁にあった。

けれども、その提案とは・・・経営者の考えを否定したり、私なりの希望をかなえてくれたりすることではない。経営者には、すでに明確な方向付けなり、青写真がある。

そのとき、私たち部下に求められるものは何か。自分たちの考えを思いっきりぶつけることではないし、ましてや日頃の不満をぶつけることでもない。経営者自身がイマイチ自信を持てない部分だったり、考えがあいまいだったりする部分を補うような説明をするということだ。

この点をはき違えていると、前の記事で書いたAさんのような結果になる可能性が、たいへん大きい。